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<エイズとは? (後天性免疫不全症候群)>
エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによっておこる病気ですが、HIV感染=エイズということではありません。
HIVは免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染します。そして、からだを病気から守っている免疫力を破壊していきます。
HIVに感染すると、通常6〜8週間経過して、血液中にHIV抗体が検出されます。感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがありますが、この症状からはHIVに感染しているかどうかを確認することはできません。HIV検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができるのです。
その後、自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き、さらに進行すると、病気とたたかう抵抗力(免疫)が低下し、本来なら自分の力でおさえることのできる病気(日和見感染症とよばれる)などを発症するようになってしまいます。
このようにして、抵抗力が落ちることで発症する疾患のうち、代表的な23の指標となる疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズ発症と診断されます。現在はさまざまな治療薬が出ており、きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。


<HIVやエイズの現状>
エイズは、1981年に最初の症例が報告されて以来世界中にひろがり、現在、世界が抱えるもっとも大きなテーマのひとつです。国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2011年版報告書(2011年11月発表)によれば2010年末現在で、HIVとともに生きる成人と子どもの数は3400万人と推定されています。
日本でもHIV感染者・エイズ患者数は増加しており、2011年の新規感染者・患者の報告数は1529件と8年連続して1,000件を超えました。このうち、感染に気づかずにエイズを発症した新規患者数は473件で過去最高を記録しました。感染者の多くは男性ですが、女性の感染者も増えています。
HIV/エイズを予防するためには、感染経路を正しく理解して、常に感染を防ぐ方法を実行することが重要です。
また、早期発見・早期治療が発症防止や感染拡大阻止にも結びつくものであることから、無料・匿名で受けられる保健所などでのHIV検査を積極的に利用することが望まれます。


<HIVの感染経路>
HIVの感染力は弱く、性行為以外の社会生活の中でうつることはまずありません。
HIVは主に3つの経路で感染します。

1.性行為による感染
性行為による感染はもっとも多い感染経路です(感染原因の80%以上)。HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれています。HIVは感染者の血液・精液・膣分泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通ってうつります。ですから、性行為におけるコンドームの正しい使用は、エイズや他の性感染症予防にとって有効な手段です。

2.血液を介しての感染
HIVが存在する血液の輸血や、覚せい剤などの依存性薬物の“回しうち”による注射器具の共用などによって感染します。日本では、現在、献血された血液は厳重な検査により最高水準の安全が確保されていますが、現在の技術ではきわめて稀とはいえ、感染の可能性を完全には排除できません。なお、血液凝固因子製剤については加熱処理が行われているので、現在の血液製剤で感染する心配はありません。

3.母親から赤ちゃんへの母子感染
母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。母乳による感染の例もあります。日本では、お母さんがHIVの治療薬を飲むことや母乳を与えないことで、赤ちゃんへの感染をほぼおさえることができます。


詳しくは、公益財団法人エイズ予防財団のサイトをご確認下さい。
http://www.jfap.or.jp/aboutHiv/index.html