TENGA VOICE
#92
大川竜弥 フリー素材モデル
後から参入したとしても、やり方ひとつで第一人者になれる。自分をそこに重ねてたんですよ。『憧れの人は?』と聞かれたら『TENGA』です。
今回のゲストは「自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデル」の大川竜弥さんです。WEB業界では今や知らない人はいないという大川さんですが、多くは謎に包まれています。TENGAと古くから親交のある大川さんに、TENGAとの出会いや未来、フリー素材モデルとしてのあり方などをお聞きしました。
TENGAは大川さんとこれまで何度も一緒にお仕事をさせていただいていますが、最初の出会いはいつでしたか?
「実は発売当初からTENGAが好きで、周りの人にも勧めたりしてました(笑)。お仕事だと7年前の起業家・家入一真さんのVOICE撮影時ですね。家入さんのアシスタントをしていたんですよ。僕にきた依頼といえば、TENGA NIGHT CHARGEのキャンペーンでした。顔以外のパーツをフリー素材として提供しました。顔も含めてTENGAに登場したのはSVR PLUSのキャンペーンのとき。夢が叶った瞬間でした。自分がずっと好きだったブランドの仕事ができることは本当にうれしかったです。」
TENGA SVR PLUSキャンペーン時に撮影の素材より
ありがとうございます!その前からTENGAをご存知だったのですか?
「実は、TENGAの広がり方を、2012年にフリー素材モデルを始めたときから参考にしていたんです。アダルトグッズという市場にTENGAが革命を起こしたと思っていて。TENGAさんって、デザインやクオリティに非常にこだわってるじゃないですか。僕もフリー素材のクオリティは妥協せずにやってます。2400枚くらい素材として提供してますが、数十万枚は撮ってると思います。後から参入したとしても、やり方ひとつで第一人者になれる。自分をそこに重ねていたんですよ。『憧れの人は?』と聞かれたら『TENGA』です。TENGAはマスターベーションやセックスに並んで、1つの独立したジャンルになっていると思うんですよ。パイオニア界の先輩ですよ。僕も8年かかって、なんとかフリー素材モデルというジャンルを確立できてきたんじゃないかなと思っています。」
フリー素材モデルを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
「これまで様々な仕事をしてきました。専門学校を中退してユニクロ、WEB制作会社、ライブハウス店長、家電量販店での携帯電話販売、ザ・グレート・サスケさんの付き人、家入さんのアシスタントなど。
その中で、携帯電話の販売をしていた時に、交通事故に遭って契約を切られてしまったんです。これからどうしようかと考えていた時期に、友人のデザイナーさんとの雑談の中で、フリー素材サイトの存在を知りました。当時、表立ってフリー素材モデルをしている人はいませんでした。当時は俳優やモデル志望の方が多かったようです。まずWEB上で顔出しをしている人自体少なかったですね。自分でガンガン宣伝して顔だけでも売っていけば、そこから仕事も生まれてくるだろうと思ったんです。29歳のときでした。」
働いている環境もきっかけになっていたんですね。それにしても目の付けどころがすごい!プロフィールと顔を出すことに抵抗感はありませんでしたか。
「正直なかったですね。リスクも含めて仕事をしてますし、顔出しをしてて今のところいいと思ったことしかないです。もちろん過去には誹謗中傷を浴びることもありました。ただ『何だこいつ、お前なんか知らないよ』って言ってた方が、僕を見かけて『またこいつか』になって、結果的に応援してくれるようになったことも。今はもう応援してくれてる方のほうが圧倒的に多いですね。」
大川さんのお人柄ですね。フリー素材として、多くの方から自由に“使われる”お仕事をされている大川さんに、勝手にシンパシーを感じていたのですが、過去に「こんな使われ方してました」という、面白い例があればお願いします。
「フリー素材を始めた時は真面目な素材をメインに提供していたのですが、大手企業さんでもWEBの素材としては、より目を引くおもしろい素材を多く使用してくれることに気づきました。また、出会い系サイトや出張ホストのプロフィールで僕の顔が使われているという報告をいただいたことがありました。これは利用規約的にはNGなんですけど…。自分の認知度の低さを反省しましたね。もっと有名だったらこういうサイトで使われることってないじゃないですか。がんばろうと思いましたね。」
最近、フリー素材のサイトが閉鎖されているのも目にしますよね…。そんな中で大川さんがフリー素材モデルを続けられている理由は?
「まず僕が所属するフリー素材提供サイト『ぱくたそ』は、お金以外の利益を目的にコツコツと運営しています。フリー素材は100万枚使われたとしても1円も入りません。ただ、フリー素材がきっかけで仕事につながることもあるし、何より楽しいんです。利益がないとなると、プロダクションもなかなか参入できないですしね。
僕が続けられている理由…。先日とある方にすごくうれしいことを言っていただいて。僕って若くもみえるし、老いてもみえる。モテそうにもモテなさそうにも見える、日本人の平均顔だって。フリー素材モデルをやるにあたって、こんなうれしい言葉はないです。これが強みかなと思いますね。ほんと両親には感謝です。フリー素材顔に生んでくれてありがとう!」
大川さんの考えるフリー素材モデルの未来を教えてください。
「正直、この先ずっとフリー素材があるかはわかりません。フリー素材って個性があってはいけないものだと思うんですけど、僕の認知度があがったからこそ使ってくれてる方がいるのもあって。そんな中でも、今後は異種格闘戦のようなことはやりたいなと思ってます。ファッション誌の表紙や映画に登場したりできたらおもしろいなって。『フリー素材なのに◯◯!』みたいな」
街中で偶然初恋の女性を発見。しかし、当時の面影はなかったのフリー画像(写真)
これからTENGAといっしょにやってみたいことはありますか?
「使ったことはないけれど、TENGAやirohaに興味を持ってる人ってたくさんいると思うんですよね。なので、お客さんがTENGAやirohaを誰かへプレゼントするとき、僕がお客さんの相談に乗る企画をやりたいです。もっとカジュアルにプレゼントしてほしいなと思っているんです。そういう文化を作りたい。もちろんその際には、贈る人との関係性ってとても大事だとは思います。」
TENGAのブランドコンセプトでもある「愛と自由とTENGA」。お互い共通するキーワードに自由(フリー)がありますが、大川さんが考える自由とは?
「世間的に自由って、自分が好きなことをやることだと思われがちです。自分がフリー素材として一番大事にしているのは、ユーザーへ使い方を委ねること。それこそが価値のある自由だと思うんです。フリーとは言っても、フリー素材自体は自由じゃないですからね。でも、そんなところも楽しんでやっています。これだけやっていても、まだまだこんな使い方もあるんだ!という発見も多いんですよ。代表的なもので言えば『年収低すぎ』で話題になった口元を押さえている画像が『口臭がきつい』といったバナーで使用されてたり。こんな化学反応があるのも、使う側に委ねることでよい気づきになったり、刺激になりますね。何よりも、使ってくれる方がいるから成り立っているので、日々感謝の気持ちを忘れずにいます。」
まさにユーザーさんへの「愛」ですね。
「愛!確かにそうですね。仕事ってどれも突き詰めると接客業だなと思うんですよ。いかにお客様に喜んでもらえるか、いかに便利に使ってもらえるか、使う人のことを想像していつも取り組んでいます。これまでのフリー素材サイトって、企業やライターさん向けで、ある程度こう使われる、こう使ってください、というトンマナがあって『提供する』という意識が強かったのですが、僕が所属している『ぱくたそ』のコンセプトは『使って楽しい、見て楽しい』で、使うだけでなく見ても楽しい物を『共有する』それがユーザー愛でもあり、フリー素材の楽しみ方だと思っています。」
素敵なコピーはそんな思いから生まれたんですね。最後に大川さんファン、TENGAファンのみなさんへ一言お願いします!
「TENGAやirohaをつかうことにもっと自信を持ってほしいです。あと、フリー素材を使う感覚で、もっとカジュアルにTENGAとirohaも使ってください!」
※こちらの記事は2020年3月掲載となります
大川竜弥 フリー素材モデル
自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデル
1982年2月26日生まれ。神奈川県横浜市出身。ユニクロ、Web制作会社、ライブハウス店長、ザ・グレート・サスケのマネージャーなど、いくつかの職を経て、2012年3月からフリー写真素材サイト「ぱくたそ」にてフリー素材モデルの活動をはじめる。
ニュースサイト、ブログのアイキャッチ画像、バナー広告、テレビのバラエティ番組やドラマの小道具など、さまざまな媒体にフリー素材が使用されている。
キャッチコピーは、「自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデル」。