性のトラブルを抱え込まない秘訣は、『性についておおいに悩むべし』!?
夏休みシーズン到来!”性の困りごとに直面した時の大原則”とは
–世界の性教育における”マスターベーションの教え方”もご紹介–
株式会社TENGA(東京都港区三田1-7-1 ; 代表取締役社長 松本光一)は、若年層を中心とした「性の悩み」について専門家をお招きしてインタビューを実施。「性の悩みをどこに相談したらよいのかわからない」「ちょっと疑問に思っていることがあるけど、こんなこと人に聞けない」そんな悩める人のための解決方法を紹介。また、TENGAが実施した「マスターベーション世界調査」で明らかになった、「性教育としてのマスターベーション」についても、日本と海外の取り組みの違いを紐解きながら紹介します。
▶︎ 若者は、性に関してもっと悩むべき!!
−−若年層が抱く性の悩みにはどんなものがありますか?
今の中高生はそもそも悩むことが少なくなっています。「悩み」を「悩み」として認識すらできないのが実情です。若者は性に関してむしろもっと悩んだほうがいいですね。
▶︎ 仲間がいてコミュニケーションを取るからこそ、人との差に気づける。
−−具体的に、悩みを認識できないとはどのような状況でしょうか?
今の中高生は失敗経験をしたがらない傾向にあります。言い換えれば、「常に成功者でいなければならない」と思い込んでいるのです。失敗経験を人と話さないので本当の意味での仲間もできませんし、そもそも仲間と話さないから、人との差異に気づきにくく、悩みを悩みと認識すらできない。そうやって「悩んでいない自分」を作り上げてしまうのです。
若年層に講演をしても昔と比べ、講義の内容を自分事として理解している若者が少なくなった印象を受けています。インターネットが普及したので、昔より今の子の方が知識豊富と思いがちですが、そもそも問題意識がないので調べることも減っています。そのため、性に関する知識はかなり遅れていると言えるでしょう。
▶︎ 本当に困った時のために仲間を作っておこう!!
−−どうして、今の中高生はそのような傾向になったのですか?
ひと昔前であれば兄世代·姉世代との交流もあったし、運動部の仲間とエロ雑誌を回し読みしたり、アダルトビデオをみんなで見たりするのが普通でしたよね。ところが今の子は、スマートフォンで見て1人で完結してしまいますし、性に関する悩みを人と共有しません。
相談できる仲間がいれば、にっちもさっちもいかない状態にまで追い込まれることはありません。何かに困ったり、しくじったりしたりする前に、とにかく誰でもいいから「話ができる相手」を作っておきましょう。相談機関などにも、一人ではなく、信用できる人と一緒に行けば良いのです。
▶︎ いわむろ流·性を通した仲間の作り方·2ヶ条
−−どうすれば、そういった仲間を作ることができますか?
人に話すことによって、話をしているうちに相手の弱さを知り、親しみがわき、気がつけばいつの間にか「悩み」が消えている場合もあります。悩みを知り、悩みを解決するためには、仲間を作ることが一番なのです。私の教育テーマでもある「性を通じた仲間の作り方」において、やって欲しいポイントをいくつか紹介しましょう。
鉄則として「失敗を共有できる仲間を作り、信用できるだれかと一緒に解決」すればいいのです。
▶︎「あれ、あいつに比べて俺のちんちん違うな」
⇨ むけない真性包茎かもしれない…ということに気づく!
▶︎「床オナって普通じゃないの?」
⇨ 俺のやり方みんなと違う…ということに気づく!
▶︎「ネットに載っている相談ダイヤルにかけてみたいが心配…」
⇨「文面がおかしいからこれは嘘の番号じゃない?」…実は相手が騙そうとしている場合にも気づける!
たくさん悩み、たくさん失敗し、悩みや失敗談を話せる仲間がいれば、一人で抱え込むことはなくなります。失敗を隠して一人で解決しようとせず、信用できる誰かと一緒に解決することが大切です。
TOPIC 1
日本の教育現場における性教育と”マスターベーション”の扱われ方
日本でも1992年以降、エイズ予防のために小5の理科で人間の身体を「消化器官」どまりではなく、「生殖器官」も含めて教えるようになり、小学校5-6年用の保健の教科書もできました。
当時、教師のために作られた授業書『性の授業』小学校編、中学校編(大月書店、1992)は、 中国語に翻訳され、 台湾で利用されるなど、日本の性教育はアジアでは進んでいる方でした。現在の教科書でも、マスターベーションに関して記述している教科書自体は少ないですがゼロではありません。
TOPIC 2
他の国はどうなっている? 性教育の特徴と”マスターベーション”の位置付け
▷ スキンシップから教える フィンランド
「快感」「心地よさ」の視点を性教育でも大切にしています。親子のスキンシップなどと同じように、「自分を和ませるもの」としてマスターベーションが説明されます。「より性を楽しむ」ということを中心に教育が行われています。
▷プライバシーを尊重する フランス
カトリックの影響が強く、教科書でも人の性交場面などは掲載されていません。性や恋愛について若年層は映画などから影響を受けることもありますが、「現実との違い」については学校で教えられており、マスターベーションの仕方については、学校では取り上げず、個人の裁量に任されています。「プライバシーを尊重するという観点から公教育で教えていない」という立場を取っているのです。
▷ 自分を守ることの大切さを指導 韓国
マスターベーションの記載は多くありませんが、性的暴力 / ハラスメントに関しては、実践的な情報を教えています。例えば、性被害に遭ったときのために、病院や警察の電話番号を教科書に記載し、被害にあった時の対処法として、相手の目を見て「嫌です!」と叫ぶなど、具体的な対応方法についても指導。万が一被害に遭った際には「自分にスキがあったから悪い」ではなく「相手が悪い!」ということを、男女ともに性教育の場で教えられています。
▷ 自慰行為の項目にも肯定的な変化を見せる 中国
30~40年前は否定的な表現が多かった中国ですが、現在は学校での正式使用が認められている教科書にも自慰の項目があり、これまで「良くないこと」とされてきた行為を肯定的に捉えるように変化してきているようです。一方で、(マスターベーションを表記することについて)こどもが一人で読むにはあまりにも露骨すぎるということで、保護者の間では議論を巻き起こしているのも事実です。
出典:「マスターベーション世界調査 TENGA Global Self-Pleasure Report 」
世界各国の性やマスターベーション、健康、ウェルネス、セクシャリティ、男性像の実情などを、充分に理解し·ファクトを把握することを目的にTENGAが行った調査。世界様々な文化圏の18カ国の合計13,039名を対象にネット調査を実施。そのうち、「子供の頃または十代の頃に学校で性教育を受けた」と回答した人に対して、上記質問を実施。
TOPIC 3
こんなに違う! 世界各国の ”性教育の教科書” でのマスターベーション
▷ 日本
学習研究社『中学保健体育』(平成25年1月発行)を見てみましょう。「精子は毎日たくさん作られるようですが、射精されないとどうなるのでしょうか?」という質問に対して「分解されて体に吸収されます。自慰の有無や回数について悩む必要はありません」と記載されています。平成21年発行の同教科書では、自慰についてさらに踏み込んだ表現がなされていましたが、教科書の改定とともに、表現も柔らかくなったようです。
▷ フィンランド
中学生用のある教科書では、女の子も男の子も行うことであり、ストレスを和らげ、性的喜びを与えるものだと表現されています。
▷ 中国
小学5·6年生向け教科書で最も伝えようとしていることは、「自慰は正常な行為である」ということ。する人もいれば、しない人もいる、極めてプライベートな行為であるとしています。
OPINION Message
性教育の中で、マスターベーションが果たす役割とは
▶︎ 橋本先生のコメント
2009年に「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」が発表されてから、欧米はもとより、アジアにおいても平等な関係性、ジェンダー、非暴力などを含めた「包括的な性教育」が主流となってきました。マスターベーションの取り扱いについてもガイダンスに記載されています。
性教育は、こどもたちに「これから起こりうる事態への対応」を教えるものです。例えば、性暴力や性感染症、望まない妊娠などについて学んでいれば、自分自身やパートナーを守ることにつながり、もし、そのような事態に出会っても相談する、検査を受けるなどの対処をすることができます。
性暴力やマスターベーションを含む性の学習をすすめる上で一番大切なことは「自己肯定感」です。自分のしていることが間違っているとか、自分が悪いとか思い込んでしまわないために必要なのです。
現在は家庭でも地域コミュニティでも、性に関する話をする機会がほとんどありません。学校という限定された性教育現場において、的確なアドバイスを与えることで、射精障害などを未然に防ぐこともできるかもしれません。
月刊TENGAは、TENGAの製品やニュースだけでなく、性にまつわる様々な情報を定期的に提供するニュースレターです。
“面白おかしさ”を大切にしつつも、性と真正面から向き合い、真面目に作り続けてきたTENGAだからこそ発信できる、硬軟様々な情報を届けます。様々な文献や歴史、そして人物、市場情報など多様なリサーチと開発を継続し、皆様により意義と価値のある情報を提供できればと考えています。性に関するストレスが少しでも軽減されたり、親しい誰かに相談するきっかけを作ったりと、性の悩みを和らげられる社会づくりへの貢献をめざします。
※p.2に掲載した、「マスターベーション世界調査 TENGA Global Self-Pleasure Report 」に関する他の結果は、月刊TENGA vol.1にて公開しています。詳しくは下記URLよりご確認ください。
月刊TENGA バックナンバー https://www.tenga.co.jp/topics-archives/category/g-tenga/
TENGA 公式オンラインストア http://store.tenga.co.jp
TENGA コーポレートサイト https://tenga-group.com
画像ダウンロード用URL https://dl.nxlk.jp/a6dc65c6-37c8-4bfc-ba64-a97bfb0e55ab
What’s TENGA?
株式会社TENGAは「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というビジョンのもと、性生活をより楽しむためのツールを製造·販売するメーカーです。製品は現在60以上の国と地域で販売され、累計出荷数は6,800万個を突破しました。
ブランド紹介
【TENGA】男性向け、カップル向けアイテムやエナジードリンク等を展開
【iroha】女性向けセルフプレジャーアイテムを展開
【iroha INTIMATE CARE】デリケートゾーンソープ等の女性向けセルフケアアイテムを展開
【TENGAヘルスケア】医療·福祉·教育に関する製品やサービスを展開(グループ会社での運営)
●本件に関するお問い合わせ先
月刊TENGA 広報事務局 | 株式会社パブリックグッド内(東京都渋谷区渋谷1-17-1 TOC第2ビル)
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