TENGA VOICE
#46
masasucks the HIATUS
TENGAは、オナニーのハッピーな感じを残しつつ、ちゃんと美しくデザインされてる。
日本のロック界で孤高のポジションを確立しているthe HIATUS。そのメンバーでもあるmasasucksは自他ともに認める自慰行為愛好家である。彼らのライヴに足を運んでる人はわかると思うが、ステージ上のMCでTENGAの名前が出ることも少なくないバンドであり、そういう経緯もあって今回masasucksに取材をオファーしたところ快諾。何事も本気でのめり込む男はカッコいいが、音楽にも自慰にも徹底してこだわる彼の姿は、TENGAユーザーにとっても頼もしい限りだ。
TENGAを最初に知ったのは?
「5年くらい前、誕生日プレゼントか何かで貰ったのがきっかけだと思います。パッケージとか見た時に、これが何かまったく想像つかないじゃないですか。それこそシェイカーみたいなノリで見たら『オナニーグッズだ! マジか!』って、チョー盛り上がって。ま、俺もオナホールとかね、ちょっと探求した時があったんで。それまでのオナホールはすごくゴム臭かったけど、TENGAはそういうのがまったくない。しかもスタイリッシュ。何でこういうポジションのアイテムがなかったんだろうって、盛り上がったわけです。」
オナニーに関しては昔から探究心旺盛だったんですか?
「そうですね。幸いにも自分はストリートのパンクのシーンで育っているんで、『俺はオナニーについては外で話さないから』ってタイプじゃないし、通っていた高校も野郎ばっかりの工業高校だったから凄かったですよ。メシ食って昼休み終わった後、食欲の次は性欲が襲ってくるんで『ちょっと便所行く』って、ヤンマガとか後ろに隠して便所に行って、よくオナニーしてました(笑)」
アハハ。
「そういう時に、例えばTENGA EGGとかあったらねぇ。隠さなくてもいいし、さりげなく持って行けそう。『ああ、あいつ一発抜いてくんのかな』みたいな(笑)。それくらい凄い革命ですよ。当時もオナホールってあったかもしれないけど、認知されてなかったわけじゃないですか。だから、一生懸命いろいろ頑張ってましたけどね。スーパーにコンニャクを買いに行ったりとか……コンニャクの側面に包丁でちょっと切り込み入れるっていうのを思い付いて、『キター!』と思って、実際に買いに行ったんです。でも自分はやましい気持ちがあるから、レジに並んでる時にすごく恥ずかしかった(笑)」
コンニャク買うだけなのに(笑)。
「そう、ただオナニーするだけなのに、なんだこの罪悪感は……っていう疑問はずっと抱いてたんですよ。それをこのTENGAが剥ぎ取ってくれたかもしれないですよね。例えばギターで言ったら、パッて聴いた時に『このフレーズ、すげえ切なくていいな』って思ったりしても、それがそのまま楽曲に活きるかっていうと違う。やっぱり一回寝かせたり、ちゃんと消化したりすることで、また違うイメージを持った旋律が生まれる。それってTENGAのデザインにも共通してるなぁと、ちょっと思ったんですよ。今までのオナホールって、箱に女の子の絵が書いてあって、箱を開けてみると袋に入ったオイル臭いフニャフニャのやつが出てくるだけだった。むしろ箱を見てるほうが興奮するというか。でもTENGAはオナニーのハッピーな感じを残しつつ、ちゃんと美しくデザインされてる。そういうクリエイティヴなところはギターフレーズなりと共通点あるんじゃないかなって。」
深いですね。そんなmasaさんにとってthe HIATUSってバンドはどんな存在なんでしょうか?
「やっぱりみんなが好きなんですよ。スタッフや環境も含めて。アホみたいな話もきいてくれるし─シカトされる時もよくありますけど(笑)─異母兄弟みたいな感じというか。何かの縁があって一緒にバンドで旅をしてるわけだし。」
バンドのメンバーとTENGAの話とかするんですか?
「TENGAの話、しますね。一部のメンバーと。というか厳密に言えば、一部のメンバーしか食いついてこない。某ヴォーカリストと話すことが多いですね。それを見て某ベーシストは『お前らオナニーにこだわりすぎやぞ。そんなのパパッと抜いたらええやんけ』って(笑)。それに対して『いや、ロマンがあるんすよ』みたいな。」
ロマン!
「だから某ヴォーカリストとはよく情報交換しますよ(笑)。ま、クリエイティヴなアイデアの共有……ってことにしときましょうかね。」
<「ローリングストーン2013年3月号 SHAKE★TENGA」より http://www.rollingstonejapan.com/>
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