TENGA VOICE
#41
小塚 拓矢 怪魚ハンター
TENGAで魚を釣るってなんだか面白いじゃないですか。
今回のTENGA VOICEは、“怪魚ハンター”の小塚拓矢さんが登場。怪魚を求めて旅した先は、なんと世界31カ国!魚、旅、釣りへの熱い想いから、TENGAで怪魚を釣り上げるという壮大な挑戦まで、ストイックでロマン溢れるお話がたくさん飛び出しました。
“怪魚ハンター”になったきっかけについて教えて下さい。
「高校時代に初めて付き合った女の子の事を別れた後も忘れられず何度かアタックをしていたのですが、結局その恋は実らずに終わってしまって。その子を見返してやりたいという気持ちと、大学時代に何かデッカイことをしたいという10代の有り余る自己顕示欲がきっかけになり、『在学中に5回海外に行くぞ!』と宣言したんです。小さいころから魚が好きでよく釣りにも行っていたのですが、海外に出て怪魚を釣り始めたのはそれがきっかけですね。」
今年は、年間の3分の1は海外に行ってらっしゃったとか?
「特に最近はテレビや雑誌の取材で、長期で海外に滞在することが多くなりました。普段は釣り雑誌の連載や講演、釣り具のプロデュースなども手掛けていて、釣りに関するありとあらゆることで『とりあえず小塚君なんとかして!』ってことで関わっている感じですね。」
TENGAで怪魚を釣り上げる試みをされていたとお聞きしましたが、いったいどうやって使うのですか?
「これ(ディープスロート・カップ)を上下逆にして、おしり側からブスッと針金を通して輪を作り、針と糸を通すんです。そんな感じでポチョンと水面に落とします。これを水面まで持ち上げて、ぽちょぽちょと動かしながらナマズを誘っていると、あちらからディープスロートしてくれるといった具合です(笑)」
魚は動くものに反応するのですか?それともこのくびれのある形に?
「実はディープスロート・カップみたいな形のルアーって結構出ているんですよ。ポッパーってタイプのルアーで、空気抵抗を避けてぴゅーんとよく飛ぶし、頭側の平らな方で水を押して魚にアピールできるので、使い易いんですね。まだ機会がないのですが、いつか海の大物を釣るときに使おうと思っています。100%釣れる自信がありますね。」
そもそも何故TENGAで魚を釣ろうと?
「TENGAで魚を釣るってなんだか面白いじゃないですか。ナマズを釣るのに適したルアーが開発されていて、『これはナマズ用です』って店頭に並んでいますが、どこかの誰かがすでにそれでナマズを釣っているわけで、僕にとっては誰かの足跡をたどる行為のように思えて面白くないんですよね。でも、TENGAでナマズを釣った人って、多分まだ世界に誰もいないと思うんです。だから僕からしたら、この挑戦はエベレストに登るよりも冒険なんです。エベレストにはすでに何百人もが登っている。でも、TENGAでナマズを釣った男はいない!」
そんなに熱い想いがあったんですね!
「皆も興味をもってくれるじゃないですか。『TENGAでナマズが釣れるらしい』って話題にもなるし、『また小塚が変なことをしているよ』から、『じゃあ、どうやって釣るの?』って。そこから話題が広がるんです。
そして僕はそれをいい反応だと思っています。現在の日本には釣り人が多すぎる。そんな状態で皆が好きなように魚を釣っていると、魚が減るし弱ってしまう。環境やキャパシティというものには限界があって、人間がどこかで理性をもって制御しなきゃいけない。だから釣れるルアーだけを突き詰めていくことは、自然破壊にしかつながらないと考えています。だけど逆の発想で考えれば、釣り辛いルアーで魚を釣るってことは難易度が高い分だけ、満足感や達成感も大きいと思うんですよね。」
それって「気持ちいい」ってことですか?
「ヨッシャ!って達した感じがありますね。一番嬉しいのは、相手がバフッって食ったとき。そして、釣った魚を抱きしめた時が二番目に嬉しい!ファイト中は案外何も感じないですね。それをSEXに例えるとしたら、挿入時と射精をした時が気持ちいいのと同じかな。釣りが好きというよりは、魚が好きなんです。SEXが好きなんじゃなくて、女性が好きなんです。行為の楽しみだけじゃなくて、対象そのものが好きなんです。
例えば、たくさん魚を取る方法は他にもあります。網を使うとか。だけど、僕は相手の意志に関係のないことはあんまり燃えない。釣りは向こうが食ってくるんですよ。少なくとも僕の仕掛けたルアーなり餌なりに反応して、向こうから能動的に振り返る瞬間がある。僕はそれを“恋”に近いものだと思っています。生き物と僕との意思疎通ですね。だから僕は釣りが好きなんです。ある意味で精神論ですね。僕の場合は。」
釣りって奥深いんですね。
「僕は苦労をしたいタイプなんですね。そうじゃなければ、地球の裏側まで行って何ヶ月もかけて怪魚を追ったりなんてしません。だから、TENGAで釣るとかっていう難しい目標を設定するとやる気が湧くし、一度決めたら簡単な方向に逃げたくないんです。」
TENGAを知ったのはいつ頃ですか?
「仕事で関わっていたイラストレーターさんに『奥さんにTENGAが見つかりまして・・・』っていう話を聞いたんです。そこで、TENGAってなんだ?って調べて用途を知って、その時はそれで終わりました。セカンドコンタクトは『モテキ』です。若手の女優さんが出演する青春系の邦画にはまっている時期があって、色々とDVDを借りていたんですが、映画の中で長澤まさみさんが“LOVE ME TENGA.”と書かれたTシャツを着ているシーンを見て、すぐにそれをインターネットで購入しました。」
そのTシャツを着た写真をブログにアップされていましたね。まだ続きが?
「サードコンタクトはナマズです。『情熱大陸』の撮影を終えて南米から帰国をした後、ミニトマトやお風呂のアヒルのおもちゃでナマズを釣る挑戦を成功させて、さて次はどうしようかな・・・と考えていた時に『あ、TENGAだ!』と思い出したんです。それでディープスロート・カップの3色セットを購入して、黒が一番スタンダードタイプなのかな?と思って、まずは黒から使ってみることにしました。」
※実際は、赤:スタンダードタイプ、黒:ハードタイプ、白:ソフトタイプ
その結果は?
「26バイト、9バラし、0キャッチ。26回くわえこませて、9回針にかかっているんだけど、1匹も釣り上げられていないって意味です。そこからTENGAでナマズを釣るために、ありとあらゆる努力と工夫をしました。普通は釣り人って考え方が逆で、ここに川があって、その川で魚を釣るのには何を使うか・・・って考えるところを、僕はTENGAで魚を釣るためにはどこへ行けばいいのかを考え、TENGAに適した川とポイントと場所とタイミングをはじき出して、やっとその条件を全て満たした場所を見つけました。でも、26回も針にかかったのに釣れなかった・・・。」
釣れない原因はなんだったんでしょうか?
「実はその時、開封前のカップを使っていたのですが、中にスポンジが入っているせいで、水中で水を吸ってどんどん重くなるんですね。そうすると魚が針にかかって暴れた時に、針の穴が広がってすぐに抜けてしまう。だから、いつも糸を巻き上げている途中に針が外れてしまっていたことに気付きました。それを解消するためには、本体を軽くする必要があった。魚が首を振ったときのエネルギーを逃がすために、質量を下げなければならなかったんです。この事で初めてカップを開けて、中身を確認して使ってみることにしました。僕が実際にTENGAを使うまでには、こんな経緯があったんです。TENGAと出会って3年目のことでした。」
壮大なラブストーリーみたいですね。何度も交差しては擦れ違い・・・もしかして、釣りで追い求めているものと、マスターベーションに求めるものに重なるところがあるんでしょうか?
「釣りにしてもそうなんですが、一度始めるとどうしても凝ってしまうタイプなので、マスターベーションのタイムを縮めることを目指したり、手を使わないで試してみるとか・・・どんどん難易度を上げていくのが好きなんです。釣りでミニトマトからアヒルのおもちゃ、TENGAへと行きついたのと同じです。段階を追ってレベルをあげていく。同じことを続けていても進歩がないと思っているので『同じオナニーは二度しない』って決めています。それは釣りに関しても同じです。ある意味釣りもオナニーですしね。」
こんなTENGAがあったら、というアイデアがあれば教えてください。
「世界TENGA巡りじゃないけど、『TENGAで世界を旅する』みたいな気分になれる製品があったらいいですね。TENGAロシアとか、TENGAタイランドとか。旅にTENGAを持って行くんじゃなくて、TENGAで旅をするっていうコンセプトですね。あとは、世界の水辺には、“名器”伝説って結構あって(笑)TENGAクジラやTENGAイルカなんてどうでしょう。TENGA スティングレイ(英語でエイの意)とか、ちょっとかっこいいじゃないですか?」
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弁慶フィッシングクラブ
東京都千代田区紀尾井町4-26
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小塚 拓矢 怪魚ハンター
1985年、富山県生まれ。
高岡市在住。
株式会社モンスターキス代表取締役兼雑用。学生時代より釣りや魚にまつわる各種メディア媒体の企画をプロデュースし、現在では自社ブランドからシーラカンス用の釣竿の製造・販売も手がける。
最近では『情熱大陸』など、一般向けのメディアにも出演。
・著作
「怪物狩り―世界“旅的”個人釣行ビジュアルガイドBOOK」(地球丸)