TENGA VOICE
#89
DJ KEKKE DJ
僕が想うクラブカルチャーの愛を感じてほしい!
踊って、お酒を楽しんで、誰かと出会う。私たちが普段言葉にできないこと、でも黙ってはいられないことを表してくれる音楽。そして、そんなエネルギーを全身全霊で楽しむクラブカルチャーの存在。人は幸せだから踊るのではなくて、きっと、踊るから幸せになれるはず。“音楽の力で人生をもっとハッピーに。”日本で最も忙しいDJの一人、DJ KEKKEさんは、そんな世界に散らばる音楽というパワーを何倍ものエネルギーに増幅させて届けています。リアルに存在する唯一の世界共通語、それこそが人の心に直接はなしかける音楽のパワー。DJ KEKKEさんをVOICEゲストにお迎えし、DJが何を見て何を感じ、どんな想いを受け取って、どう音にのせるのか、音楽とクラブカルチャーへの大いなる愛を聴いてみましょう!
KEKKEさんとターンテーブルの出会いはいつ頃ですか?
「高校生だった18才の時に友だちの家に遊びに行ったら、ターンテーブルが置いてあって“これDJでしょ?!”から始まりました。触ってみたらドハマりして、そこから毎日触っていたことがきっかけですね。」
DJを仕事にしていて面白いところは?
「喜怒哀楽というか、音楽を通してお客さんをハッピーにすることも出来ますし、逆にいうと怒らせることも出来ると思うんです。絶対にそんなことはしないんですけど(笑)。それくらいDJがかける音というのは、お客さんにとっての一日、もしかすると今後を左右するくらいの影響力を持っているなと思ってやっています。だから、僕は来てくれているお客さんのことを意識しながらやることが多いかもしれないですね。」
KEKKEさんは国内外を飛び回っていますが、国や地域、クラブによってある程度DJ-setは用意してありますか?
「もう全然してないですね。僕は入るまで1曲も決めていないです。パソコンを開いて、『前のDJがあと1曲です』って言われてから考えますね。決めていくのは絶対にダメだと思っています。」
日本人アーティストだけでなく、来日する海外アーティストのバックDJを務めることも多いKEKKEさんですが、アーティストたちを盛り上げる秘訣は?
「海外アーティストの場合、何時からLIVEが始まるかちゃんと決まってないことが多くて。というか、LIVEするって言っていても、結構その日の気分によって変わっちゃうことが多いんです。そういった時は、アーティストのテンションをどうやってテンションを持って行くか次第だなと思いますね。彼らの好きな曲もわかりますし。なので、そんな時だけはお客さんよりも、まずは30分間アーティストを優先して(笑)。それでブースに上がってきたタイミングでコレ!みたいな感じですね。」
さすが盛り上げ上手!(笑)KEKKEさんがDJとして大切にしているのはどんなことですか?
「やっぱり空気を読むことですかね。お客さんもそうですけど、ラッパーの空気を読むことも大事だと思ってます。例えば、SWAY[ラッパー・俳優・クリエイター / LDH]のDJに入る時も、常に彼のことを見ていますし。LIVE中は、基本的にはお客さんよりもSWAYしか見ていないですね。やりづらそうだったら、ボリュームをいじってあげたり、空気感を大事にしながら細かく見ていますね。結構、“気遣い”かもしれないですね、DJの時だけ。だから普段は気をつかえなくなっちゃうっていう(笑)。」
それは日々積み重ねている経験からくる、最高の“気遣い”じゃないですか?
「自然と生まれてきたものもありますし、先輩たちに怒られながら、いつの間にか勝手に染みついたものかもしれないですね。まだまだだとは思うんですけど。」
毎日、毎晩のようにDJの仕事が入っていますよね。1年に365本以上やっているんじゃないですか。KEKKEさんのレギュラーは多すぎて書ききれません(笑)。ここは皆さんにスケジュールをチェックしてもらいたいです!
「昨日も3本やっていましたし、年に400くらいやっているかもしれないですね(笑)。本当にありがたいことです。地方に行くことも多くて、多い時は毎週のように行かせてもらったりすることもありますね。」
では、今後挑戦したいことはありますか?
「オリジナル楽曲を出すことですね。毎日クラブDJばっかりをやっていて、そこからの発信もそうなんですけど、自分名義の楽曲を出す制作の部分を考えていますね。10年後にDJをやっているかわからないじゃないですか。それだったらどんどん制作とか、好きな音楽の部分を突きつめていけたらいいなという思いがあります。」
DJとして東京に出てきて10年のキャリアの節目に、いよいよワンマンイベントを開催されますね!
「12月22日。360分。6時間。果たしてもつのか?(笑)大阪にB=BALLくんという先輩DJがいるんですけど、Red Bullチャンピオンであり、クラブDJとしても本当に素晴らしいんです。毎年5時間setのイベントをやっているんですよ。それにずっと憧れていて。今年は僕が東京に来て10年で、何かやりたいなと考えた時にワンマンだなと。」
TENGAには“愛と自由”というコンセプトがあり、常識にとらわれずに活躍するクリエイターさんを応援したいと思っています。今回のイベントはKEKKEさんにとっての10年分の“気遣い”の“愛”が表現される夜になりますね。
「10年という節目と、最近自分の中でクラブカルチャーに対する想いがあって。外資が入ってきたり、大きなクラブが出来たり、クラブカルチャーがすごい広がり方をしているんですよ。めちゃくちゃ良いことなんですけど、でも広がりすぎちゃって、DJもスタッフもハコも追いついていない。だから、お客さんも追いついていなくて。そういうことが目立っちゃっていると勝手に思ってます。これは全然ディスじゃなくて。」
クラブカルチャーにとって大切な時期かもしれないですね。
「今は、ちょっとパソコンと音楽を知っていれば誰でもDJができる時代です。集客のためにどんどんDJを入れるクラブもあって、その結果、全然回せないDJをお客さんに提供してしまっていることもたくさんあります。そして、『それがDJ、クラブなんだ』っていう誤った認識をお客さんにさせてしまって、遊び方をまったく知らないお客さんが増えてきてしまったと思うんですよ。例えば、お気に入りのDJが出てきたら、いきなり前に出てきて写真や動画を撮りだしたり。それってクラブの遊び方じゃないんじゃない?って。でも、お客さんはわるくない。僕たちDJとクラブ側のせいですね。お客さんはクラブに行ってみたいと思って、遊びにきてくれているんです。」
せっかく来てくれたお客さんに、クラブ“カルチャー”を楽しんでもらいたいですね。
「お客さんたちには悪気はなくて、もちろんはじめのきっかけは好きなDJを見に来るとかそんなことで良いんですけど、そこから本当のクラブの楽しさを知ってほしいなって。僕はDJも好きなんですけど、クラブカルチャーの方が好きなんです。クラブに来ている人、盛り上げるスタッフ、DJ、みんなで一個のものを作り上げていくことが好きですね。そういう楽しさがあることを知ってほしいんです。」
好きだからこそ、伝えたい想いがあるんですね。
「本当に最近はおかしくて。誰かが言わないと。これまでやってきた先輩たちとか、僕たちもそうですが、カルチャーを受け継げないのって嫌じゃないですか。そういう想いがあるので、僕が思うクラブとDJの本質を360分ぜんぶ見せたいんですよ。だからこそ、あえて日曜夜のイベントにしていて。金土曜だとクラブスタッフも若いDJも来られないんですよね。それだったら僕がリスクを冒してでも日曜日にやって、クラブ関係者に来てほしいと思ったんです。もちろんお客さんにも遊びに来てほしいんですけど。」
愛が大きすぎて感動してしまいました。そんなKEKKEさんはTENGAとの出会いもクラブだったとお聞きしました。
「昔、六本木のクラブでTENGA EGGが配られていたんです。それが出会いですね。最初はみんなで何だろうって言って投げ合うっていう(笑)。でも、最近はコラボもあるんですね!『ANTI SOCIAL SOCIAL CLUB』めちゃくちゃ良い(笑)。」
では、最後にKEKKEさんにとっての最高のよろこびはどんなことですか?
「DJでお客さんが盛り上がってくれるとすごく嬉しいですし、“良かった!”って声をかけられたり、応援してもらえたりすると嬉しいですよね。僕が大きく関わっているクラブが盛り上がってくれても、やっぱりすごく嬉しいです。色んな嬉しさがあるんですけど、DJとしては、やっぱりお客さんが反応してくれたら単純に嬉しいですね。」
みんなで作り上げる音楽とそれを楽しむ場所。クラブカルチャーにとっての大切な声を受け継いで、次へつないでいく。DJ KEKKEさん本当にありがとうございました!
皆さん、DJ KEKKEの音を受け取りに、今晩クラブに出かけてみませんか!?
■イベント情報
DJ KEKKE初のワンマンDJ開催
2019.12.22 Sun @VUENOS ( Shibuya Tokyo )
MYself -DJ KEKKE 360min SET-
Open 23:00
#1222360
Tickets now available !
※こちらの記事は2019年12月掲載となります
DJ KEKKE DJ
日本一忙しいDJ
2002年、地元札幌を拠点にDJ活動をスタート。
国内外を問わず、年間400本を超える圧倒的な場数をこなし国内トップクラスのDJとして活躍中。
Weekly Events
Monday : CLUB CAMELOT
Tuesday : Abemamix(7pm-1am) , 1OAK Tokyo
Wednesday : WREP
Thursday : ATOM TOKYO
Friday : 1OAK Tokyo / ALIFE / HARLEM / others
Saturday & Sunday : Party anywhere