TENGA VOICE
#51
カリスマカンタロー ダンサー/起業家
何よりダンスもTENGAも言葉いらずだしね!
現役ダンサーでありながら株式会社アノマリーの代表取締役を務め、類まれなバランス感覚でダンス界を牽引するカリスマカンタローさん。二足のわらじを履きこなし、シーンの最前線で新しいムーブメントを巻き起こす時代の寵児のカリスマたるゆえんは?
「カリスマカンタロ―」という名前の由来は?
「初めは普通にカンタロー(本名:神田 勘太朗)って名前でダンサーをやっていました。その頃ちょうどカリスマ美容師とか『カリスマ』って言葉が流行っていたんですが、僕の言動や行動が人と違って変わっていたのを面白がられて、その頃一緒にダンスをしていた友達に『お前は本当にカリスマだな〜』っていつも言われてたんですよ。そのカリスマブームが終わって『カリスマ』って付くのはむしろださくね?って空気になった頃に、ここであえて『カリスマ』って名乗ったら逆に痛くて面白いんじゃないかと思って、ダンス雑誌に名前が載るタイミングで初めて『カリスマカンタロー』を名乗りました。その後はあれよあれよという間にダンス界では有名になり・・・何をしてるかは分かんないけど、名前だけは知っているっていう人も居てくれるみたいですね。」
現役ダンサーであり経営者でもありますが、ダンスとビジネスの両立は気苦労も多いのでは?
「正直めっちゃ大変です!好きなものをビジネス化していくっていうのは、本当は性に合わないんですよ。でもダンスがこのままだと、いつまで経っても趣味の領域で終わっちゃうから、いつか誰かがマーケットを作らないといけないとは感じていました。僕が学生をやっている間にそのマーケットが確立しそうになかったんで、それだったらと思って会社を立ち上げて経営の方もやり出しちゃったんです。結果苦しいことも多いし、忙しくてダンスが出来なくなることもあるので、好きな事を仕事にするって実は辛い面もあるんですよね。それでも踊ることを辞めない事が重要だと思っています。仮に表舞台に出ていないとしても踊りたい気持ちさえ持ち続けられれば、上手く付き合っていける気がしますよね。」
義務教育におけるダンス授業の必修化や、クラブでダンスを禁止する風営法の規制など、ダンスが注目を浴びているかと思いますが、世間のダンスに対する見方や意識の変化を感じることはありますか。
「『うちの子もダンスやってます!』って人に言われることが、ここ10年くらいでグッと増えました。それだけ短期間で急激にダンス人口が増えたということですね。だけど、それと同時に業界自体がマーケットとして成長しているかというと、まだそこまでではないと思うんです。流行に乗っかろうと思って参入はしてきたものの、結果が出ず撤退していく企業も多い。カルチャーってそんな簡単に生まれるものじゃないし、ビジネスマーケットまで持ち上げるには思い切った資本を突っ込まないといけない。でもそれが出来ずダンス界に見切りを付ける人や企業を見ていて、いまの日本の経済と良く似てるなって思うことはあります。伸ばさなければいけないところにきちんと資本を注入しないと何も変わらないですよね。」
では現在よりも、今の子ども達が大人になったらより強固なカルチャーに?
「確実にシーンがデカくなるでしょうね。ただその受け皿を国のサポートがあるわけでもない。教育には入ったんだけど、受け皿となるようなイベントとか機関、ビジネスや職業に国が予算を付けるわけでも投資するわけでもない。それじゃあ結局は何がしたいのか分からないし『やりっぱなしじゃいかんよ!』と感じます。目的も落とし所もよく分からない状態なんですね。『教育に入った』という現象が大きいだけでその後の施策がないから、現段階ではあくまで一過性のニュースをぶち上げただけに近い。『授業に入ってます』かたや『風営法でクラブで踊れません』って言われてもどうすればいいんだか分からないでしょう?なぜ教育に入れたのか?じゃあ風営法をどうするのか?全てが一貫されたロジックがキチンと固まっていればいいと思うんですよ。そのロジックが曖昧なのに、施行したり規制したりとかするから受け取る側も混乱しちゃう。」
これからダンスを通じて伝えたいこと、変えていきたいことは何ですか。
「僕は自分が運がいいと思っているんです。生まれた時にサッカーのワールドカップもオリンピックも既にあって、僕が大人になる間に野球のワールドカップも始まったわけですが、人が生まれて死ぬまでの間に自分がそのシーンを作る最前線にいるって多分そうそうない。例えば車が好きだって言っても、いまからF1の新しいシーズンを作ろうとかなんて考えもしないでしょう?だからこそ、今まさにダンスっていうモノでそれを体現できている、世界中を巻き込むようなDANCE@LIVE(ダンスアライブ)という大会を運営している会社の代表をとれている自分は本当に運がいいと考えているんです。」
今後はどんな展望を描いていますか。カリスマカンタローさんの考えるダンスの未来像とは?
「世の中を見渡してみるとまだまだ世界を変える余地がある事に気付きます。スティーブ・ジョブズが新しい価値観とともに、今まで誰も見たことのないようなモノを開発し、世の中に提示した。そしていつの間にかそれを人々が当たり前に使っている。僕もそうやって世界中の人達に衝撃を与え、且つ自然と人々の生活に溶けこむようなものを作りたい。ダンスと一括りに言っても、スポーツ的なダンスもあれば、エンターティメント的なダンスや教育としてのダンスなど色んな分野がありますが、『ダンス』というひとつの行為であり価値観を人々に浸透させて、それぞれのやり方で楽しめるような環境を作ることが僕らの課題です。僕らはIT会社ではないので、GoogleやFacebookみたいにITのサービスを以って世界を繋げるのではなく、リアルなイベントで人と人を繋げていく方法をとっています。ITで広がった後って必ずリアルに落ちると思うんですね。その落ちる先がライブイベントだったりダンスバトルだったり、いわゆる人が動いている場所だと思うんです。そうしてアナログに戻った時に熱狂的になれるものがサッカー以外にあるよね?それってダンスだよね?DANCE@LIVEだよね?ってくらいになっていけばいいですね。」
まさにワールドカップですね!
「ダンスって言葉がいらない、そして見るだけで楽しい。国を超えてつながることが出来る『ボーダレス』な世界を叶える最強のツールがダンスだと思っています。下手したらサッカー以上に広がる可能性があるんじゃないかな?僕らが生きているあと50年の間に、ダンスがサッカーのワールドカップと同じくらいの影響力を以って世界中の人達を巻き込むような存在に持ち上げたい。その最前線を走れているなんてこんな楽しい事ってないですよ!」
もしかしてTENGAにも重なるところがあるのでは?
「いままで日陰のものだったアダルトグッズを生活の中に溶け込ませたことを考えると、TENGAも近いものがありますね。それまで恥ずかしいからとして隠されていた部分を堂々と表に出せる様にしたところの功績は凄く大きいと思う。何よりダンスもTENGAも言葉いらずだしね!」
TENGAを使ってみた感想は?
「初めて手に取った時はこれもひとつのライフスタイルだなって感じがして、今までにない体験だったけど不思議と自然に取り組めました。アイテムとしての気持ち良さとか目新しさってのは当たり前で、むしろ僕はTENGAのビジネスモデルについて考えてしまったんです。今まで”大人のおもちゃ”ってのはごく一部の人達が楽しむだけのもので、どうしてもシークレットな部分が多かった。怪しい店にしか売っていなかったしね。だけどTENGAはもっとライトな層に向けていかに溶け込むか、浸透させるかってところに着目して、ブランディングとかマーケティングをしていったんだろうなぁって考えていたんです。そんなことを一生懸命考えていたせいで、その時はあまり行為に集中できませんでしたけど(笑)」
周りでTENGAが登場する機会はありますか?
「とりあえず、男の子へのちょっとしたプレゼントには最適ですよね。挨拶程度に缶コーヒーを渡す感覚で『ほいっ!』って。コーヒー飲むのと同じようにサッと使える。そんな感じの手軽さがまた良いんですよね。」
こんなTENGAがあったらいいな!というアイデアがあれば教えてください。
「Google Glass(Googleが開発中のメガネ型コンピュータ)みたいな最新鋭の機器がどんどん開発されている中で、そういうIT系プラットフォームと上手く合体させて、次の可能性にチャレンジして欲しい。個人的にはアフターフォローも考えたいところです。」
アフターフォローですか!?
「終わったあと抜く時に、『俺って何やってるんだろ・・・』ってどうしても思っちゃうんですよ、男って。『あああああっ!!終わった・・・』って、『ここでフィニッシュ!』って脳が感じた瞬間に、自然とそれが溶けて跡形もなく消えてくれれば、賢者タイムの虚しさを回避できるはず。これは一例ですが、そういう未来の発想も欲しいですね。あとは月額制!例えば千円の会員費を払っておけば、ひと月に4本TENGAが届いて4種類が試せる。そういう定額制のものってビジネス的には絶対に必要だし、そういうシステマチックなサービスがあってもいいんじゃないかな。そして、それぞれの好みに合わせた内容の雑誌を制作してTENGAと一緒に配送するのはどうでしょう。この時代にあえてDVDや映像じゃなく書籍にすることで印刷会社が助かる。どうです?これ名付けてTENGAサイクル(笑)僕らゼロイチの企業なので、そうやってゼロからイチを生むことばっか考えているんです。」